斉之以礼 2016 2 6
今日は、儒教の中心である「論語」を学びましょう。
子曰、「道之以政、斉之以刑、民免而無恥。
道之以徳、斉之以礼、有恥且格。」
先生が言われるには、
国民を導くのに、数々の政治的規制を用い、
国民を治めるに、刑罰をもって臨むならば、
国民は、規制や刑罰を免れさえすればよいと考えて、
悪いことをしても、心に恥じることはなくなる。
一方、国民を導くのに、政治家の優れた人格による徳を用い、
国民を治めるに、道徳的規範として礼節を用いるならば、
国民は、悪事に対して、心に恥じることになり、
自ずから国民は善に至ることができる。
孔子は、「法律や刑罰による政治」と、
「徳と礼節による政治」を比較し、
後者こそ政治の基本であると述べたのです。
いくら規制や法律を作っても、
政治家に「徳と礼節」がなければ、
国民は、うまく規制や法律を免れることばかり考えて、
結局、これは、国全体のモラルの低下を招くことになります。
そういえば、現代中国においては、
「上に政策あれば、下に対策あり」という言葉を聞いたことがあります。